北海道岩見沢の洋菓子店 赤いリボン｜バウムクーヘン・とろとろプリン

メープルシロップは甘味料の一つです。砂糖や蜂蜜のように料理やお菓子の甘み付けとして使われます。同じ甘味料といっても他の甘味料とは一味も二味も違った味わいがあるということは、前回お話ししました。今回は、その中にどういった力が含まれているかご紹介していきたいと思います。

　 メープルシロップの成分の６０％以上は糖質です。これは甘味料である以上当然の高い数値になりますが、砂糖が１００％近くを示すのに比べてかなり低い値だという見方もできます。その数値の差こそが、「さっぱりとした甘さ」を物語っているのでしょう、甘いのだけどしつこくない、メープルシロップの持ち味ですね。

　 メープルシロップの成分で糖質に次いで多いのが水分です。これは同じように液体になっている甘味料の蜂蜜よりも１０％も多い値です。パンケーキにかけたと きにさらっと流れて染み込んでいく、あの感じは水分が多いゆえのことでしょう。そのおかげでパンケーキを食べたときにカラメルソースや蜂蜜をかけたときとは違った、味わいを感じることができます。パンケーキの中まで染み込んだメープルシロップは、もっさりとしたパンケーキ生地をしっとり柔らかくし、あたかもシロップに漬け込んだ上等なケーキのスポンジ生地のような美味しさを醸し出すのです。ただ水っぽいだけではない、無駄のない水分の作用がパンケーキのようなシンプルなお菓子にこそ合う理由なのでしょう。

　 糖質であったり水分であったりは、その甘味料も持っているものです。ですが、メープルシロップにはその他に多様なミネラル成分を含んでいます。他の甘味料に比べて格段に多いのがカルシウムです。これは砂糖の８０倍、はちみつの４０倍もの値になります。あのくせのない甘さのどこにこれだけのカルシウムが含まれているのか不思議ですが、カエデの樹が豊富な大地のカルシウムを吸い込みそれを樹液にしたためた、そんなイメージが湧いてきます。

　 また、体に必要なミネラルとして注目されているカリウムも豊富に含まれています。こちらも砂糖の８０倍近くの数値になります。砂糖や蜂蜜より糖度が低いメープルシロップは、同じ甘みを料理やお菓子につけるにはより多く使うことになります。その分だけミネラルも多く摂れるというわけですから、メープルシロップは美味しいだけでなく、栄養的な面で見ても他の甘味料に比べて理想的なバランスを保っているということができるでしょう。